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ピープルマネジメント(People Management)とは、企業や組織内の各メンバーのパフォーマンス向上や仕事の取り組み方など成功にコミットするマジメント手法です。
ピープルマネジメントは海外企業から広がり、国内ではDeNAなどのインターネット系企業でも推進されている「ヒューマン・リソース・ビジネス・パートナー(HRBP)」の役割でもあり、 近年では、ベンチャー企業やスタートアップでも、HRBPの考え方を業務に取り入れている人事が増えています。
ピープルマネジメントはまだ人事組織界隈でも馴染みがなく、そもそもの意味やタスクマネジメントの違いや目標設定方法の必要性、成功するための導入方法などに悩む人事組織担当者も多いのではないでしょうか。
本記事では、企業戦略や事業戦略に基づいて人事戦略を構築するHRBPのプロフェッショナルとして活躍される加藤英太さんに、「ピープルマネジメントの特徴と上手な活用方法」についてその特徴とどのように実践していくかをお話しいただきます。
Interviewee
(人事組織の専門家)
加藤 英太(かとう えいた)
BIG4でのマネージャー経験を経て、スタートアップベンチャーへ転身。アドバイザリー業務から一転し、すべての業務を1人で経験する環境に身を置く。後に社内起業をし、組織人事コンサルティングやRPOなどの事業を展開する会社経営に従事。後に事業売却を果たし、大手エンタメ会社に入社をする。60事業部を横断的に管轄する部署に入社し、PMIやPF戦略支援、グループ横断プロジェクト支援を行なった。同時に個人事業主としても、複数のプロジェクトを担当。これまでにコンサルティングプロジェクトでは経営戦略・新規事業開発・M&A・営業戦略・組織人事戦略を経験。採用プロジェクトでは採用戦略・採用ブランディング戦略・SNS戦略・採用代行などのHRに特化した多数のプロジェクトを担当する。
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Interviewer
相馬 秀幸(そうま ひでゆき)
株式会社SowLab 代表取締役
当メディアの運営事務局。事業開発・人事組織・マーケティング・AI関連で事業成長に取り組む企業担当者や、専門性を持つフリーランスと日々対話している。
加藤さんは人事組織のコンサルタントとしてご活躍されていると思います。最前線のプロフェッショナルとして捉えている「ピープルマネジメント」のそもそもの意味や定義について教えてください。
ピープルマネジメント(People Management)は、組織内の人々を効果的に管理し、リードする重要なプロセスですよね。これには、従業員の採用、育成、評価、モチベーション、コミュニケーション、そしてパフォーマンスの管理が含まれています。
その目的は、個々の従業員の能力を最大限に活用し、チーム全体の生産性と満足度を高めることにあると思っております。成功するピープルマネジメントは、組織の目標達成に不可欠で、良好な職場環境の構築、従業員のエンゲージメントの向上、そして最終的には組織の全体的な成果に貢献することになると私は考えます。
ピープルマネジメントはまだ日本では馴染みのない言葉のように思います。一方で最近では人事採用担当界隈のセミナーで多く見るようになり非常に話題になってきましたね。様々な市況の変化などを踏まえ、なぜ日本でピープルマネジメントが注目されるようになったのでしょうか。
日本でピープルマネジメントが注目されるようになった背景には、複数の要因があると考えております。
一つは、日本の労働市場の観点です。日本は、少子高齢化による労働力不足、女性や高齢者の労働市場参加の増加、外国人労働者の導入など大きな変化を経験しており、このような多様な労働力を効果的に管理し活用するためには、従来の「一律的な管理」から「個々の従業員の能力やニーズに応じたマネジメント」へのシフトが求められるようになったからです。
また、日本政府が「働き方改革」を推進したことにより長時間労働の是正、ワークライフバランスの改善、生産性の向上が注目され、ピープルマネジメントの原則である従業員の働きやすい環境を整えることにより、これらの目標達成に貢献するようになったと考えています。
ちなみに、「ピープルマネジメントとタスクマネジメントの違い」を聞かれることがあります。大きな違いは何だと思いますか。
ピープルマネジメントは「人」に焦点を当て、従業員の個々の能力と幸福を最大化することに注力します。一方でタスクマネジメントは「仕事」に焦点を当て、タスクの効率的な完了と目標の達成に重点を置くため、大きな違いは「何に焦点をあてているか」であると思いますね。両方のマネジメントスタイルは、相互に補完的であり効果的な組織運営のためには両方が重要だと考えています。
ピープルマネジメントは
「個」の時代だからこその手法
「ピープルマネジメント」は我々フリーランス業界に身を置く株式会社SowLabでも重要性を強く感じています。従来の終身雇用の働き方が崩壊しながら、企業がフリーランスと呼ばれる個の人材活用の考え方のハードルが下がったことで、人事観点では組織<個人により目を向ける動きが増えていると実感しています。
目標設定・管理を実施し、その後1on1による個人に目を向けたアプローチを行い、最終的にフィードバックを受けることで、人起点でのマネジメントを実現することができるのです。
ピープルマネジメントの活用ケースがまだわからない人事担当者も多いと思いますので、ピープルマネジメントを活用する影響やメリットを教えてください。
ピープルマネジメントはチームの成果と職場の雰囲気に大きな影響を与えると考えております。
効果的なピープルマネジメントによって、チームメンバーは自分の能力を最大限に活かし、より良い成果を出すことができるようになり、また、職場の雰囲気は全体的に改善されます。 従業員が働きやすい環境を作ることで大きく改善されると私は考えます。
これまでのご経験で、ピープルマネジメントが影響を与えたと思う事例はありますでしょうか。
私が以前勤めていた企業での経験を例に挙げますと、私たちのチームはプロジェクトごとに異なるスキルセットを持つメンバーで構成されていました。 その為、各メンバーの特性の沿ったマネジメントをすることになり、一見すると非常に難しいと頭の中ではよく考えておりました。
この多様性を活かすために、私が実際に実行したこととしては、週次単位で定例でのミーティングを開き、各自の意見やアイディアを共有する時間を設けました。 ザ会議というより、お互いの価値観や感性において発散する場であったり、ラフに会話をし、とにかくコミュニケーションを皆で交わし、お互いを理解することをしましたね。
これにより、メンバーはお互いの強みを理解し、協力して作業を進めることができました。 また、プロジェクトの成功に対しては公平に評価と報酬を行うことで、メンバーのモチベーションを高めることができました。
さらに、社員一人ひとりのキャリア目標とチームの目標を整合させるために、定期的なキャリア開発面談を行いました。 これにより、社員は自分の成長を実感し、より職場に満足するようになりましたね。 その結果、チームのパフォーマンスは向上し、チームメンバー含め、会社全体的な社員の離職率も低下しました。
ピープルマネジメントで
活用できるフレームワーク
ピープルマネジメントを導入する上で下図のフレームワークを用いることができます。
「ニーズ分析と目標設定」により、企業の現在と将来のスキルニーズを評価・リスキリングすることで具体的な目標を設定します。その後、プログラム設計とリソース確保を行い学習方法や教育ツールを決定します。設計したプログラムを実際に実行し従業員がプログラムに参加できるように参加を促します。最後に、プログラム効果を評価し従業員からのフィードバックを受けとることで更なる改善に努めるのです。
ピープルマネジメントによりメンバーがお互いに認め合い効率的かつ効果的な組織・チーム作りができることをご説明いただきましたが、逆にピープルマネジメントを活用することによる注意点やデメリットは何でしょうか。
ピープルマネジメントは多くの利点を提供することが多いと考えていますが、強いていうなら2つのデメリットがあると考えています。
一つ目は時間と労力です。 効果的なピープルマネジメントは時間と労力をどうしても要してしまいます。従業員一人一人のニーズや期待に応えるためには、個別の対話やパーソナライズされたフィードバックが必要となり、これは管理者にとって大きな負担になる場合があります。
また、均一性の欠如という点もあります。従業員それぞれに異なるアプローチを取ることは、組織内での均一性の欠如を引き起こす可能性があります。これは、不公平感や混乱を生じさせることがありますね。
結構簡単そうに見えるピープルマネジメントですが、実は経験や専門性がものをいう場面も多いのではないかな、と感じています。
ピープルマネジメントのメリットやデメリットをご紹介いただきましたが、ご覧いただいている人事組織の担当者で、これから活用していこう!という人のために、具体的なピープルマネジメント導入検討ステップを教えてください。
ピープルマネジメントの導入ステップ
ピープルマネジメントの導入ステップは大きく3つのステップで検討することができると考えています。
STEP1:自己理解とチーム理解の強化
STEP2:コミュニケーションと関係構築
STEP3:パフォーマンス管理と成長促進
ピープルマネジメントを導入する最初のステップは、「自己理解とチーム理解の強化」になります。
理由としては、導入前の段階では、マネージャー自身とチームメンバーの強み、弱み、働き方の好みの理解ができていない状況であるため、自己理解やチーム理解をしなければ後々プロジェクトで方針のズレが生じてしまうのです。
例えば、私の体験談としては、「新入社員がチームの価値観を理解せず、プロジェクトの目標達成に大きく影響を出してしまった」経験があったため下記のようなアクションに取り組みました。
主なアクションプラン
総じて、まずは「理解」をしていくことにフォーカスをしていくことが大切です。
ピープルマネジメントを導入する2つ目のステップは、「効果的なコミュニケーションスキルを身につけ、信頼関係を構築する」です。
理由としては、コミュニケーションスキル信を身につけることで頼関係を築きあげることができ、誤解を防ぐ→チームの士気を高め、効率的な協力と生産性向上につながるからです。
例えば、私の体験談として挙げますと、「コミュニケーション不足により、重要な情報を伝え切ることができず、プロジェクトを進行していく上で遅延が発生してしまった」経験があったため、下記のようなアクションに取り組み、改善しました。
主なアクションプラン
最終ステップで挙げますと、「チームメンバーのパフォーマンスを管理し、個人の成長をサポートする」です。
理由としては、個々の能力を最大限に活用し、メンバーの成長促進をさせることで、チーム全体のパフォーマンスの向上と、組織としての成功を実現させることができるからです。
例えば、私の体験談として挙げますと、「パフォーマンス管理の不備により、才能あるメンバーにおいての評価が見過ごされてしまい、退職に至ってしまった」経験があったため、下記のようなアクションに取り組み、改善しました。
主なアクションプラン
人事組織コンサルタントとして最前線で捉えている「ピープルマネジメント」がよくわかりました。ありがとうございました。
最後に、これからピープルマネジメントにチャレンジする企業担当者や人事組織コンサルタントに向けて、成功するための重要ポイントを教えてください。
ピープルマネジメントを成功させるための秘訣は「人をとにかく好きになって行動する」です。
現場で見ながら一番悩むこととしては、組織と人の間に挟まれ、個にフォーカスとつつも組織の目を気にする難しさがあります。実際、ピープルマネジメントに取り組む前は机上で描いた戦略に対し実現しそうだと思いながらも、人事組織はあくまで「人」が重要なテーマになるため、最後は泣いても笑っても人が重要ということです。
そのため、様々な困難に出会ったとしても、大原則はその会社の人が好きであり、その人が幸せに働く事ができることが最大の目的であるということを忘れずに動く事が大切だと思っています。
コンサルタントとして最後は精神論で終わらせてしまいましたが、いろいろやっていて一番大事だと思っています笑
素晴らしいポイントですね!加藤さんのお人柄もよくわかります。
様々、貴重な経験をもとにリアルなピープルマネジメントの実態や体験談をお話いただきありがとうございました。
組織から個へと組織の在り方も変わって昨今では、「ピープルマネジメント」が企業の事業成長のドライバーになると強く感じています。
一方で、この度のインタビュ―をしてくださった加藤さんのリアルな体験談にもあるように、ピープルマネジメントの導入には様々な情報収集や全体を俯瞰しながらの推進などが必要になり、場合により専門家の助けも必要になります。
ピープルマネジメントで事業成長を更に加速させたい担当者でお悩みの方は、是非外部に頼りながらも導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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