コンサルタントに必要なスキル・能力トップ10を一覧形式で解説【体験者が厳選!】

コンサルタントに必要なスキルや能力として、ロジカルシンキングや問題解決能力、コミュニケーション能力などがあります。

下記は外資・日系コンサルティングファームの実務経験を体験したメンバーで「コンサルタントに本当に必要だと思ったスキル・能力は何か？」をトップ10順に整理した一覧表になります。

Rank	コンサルタントに必要なスキル
1	ロジカルシンキング（論理的思考力）
2	問題解決能力
3	コミュニケーション能力
4	調査・分析能力
5	プロジェクト管理能力
6	ドキュメンテーションスキル
7	プレゼンテーション能力
8	時間管理能力
9	業界または領域の知識と専門性
10	肉体的耐久力・精神力

IDCの「国内ビジネスコンサルティング市場予測（2023年～2027年）」によるとコンサルティング需要は今後も継続していくと予測され、経済産業省が取り組むDX推進施策などの後押しもありコンサル業界は市場全体が成長する注目業界です。

一方で、コンサル業界は就職難易度も高く、生き残り続けることも難しいことで有名であり「どのようなスキルセットが必要なのか」「スキルがつかないで悩んでいる」と気になる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、そのようなお悩みを持つ方向けに、コンサルの実務経験を持つ体験者や専門家が「コンサルタントに必要なスキルとスキルアップの方法」を初心者向けにわかりやすく解説していきます。

コンサルタントに必要なスキル・能力トップ10一覧

コンサルタントにとって必要不可欠なスキル・能力は多岐にわたります。

ここでは外資・内資のコンサルティング会社で実務経験を持つ方の体験談を交えて、「本当に必要なコンサルタントのスキル・能力トップ10」を厳選して紹介します。

Rank	コンサルタントに必要なスキル
1	ロジカルシンキング（論理的思考力）
2	問題解決能力
3	コミュニケーション能力
4	調査・分析能力
5	プロジェクト管理能力
6	ドキュメンテーションスキル
7	プレゼンテーション能力
8	時間管理能力
9	業界または領域の知識と専門性
10	肉体的耐久力・精神力

1位.ロジカルシンキング（論理的思考力）

ロジカルシンキング（論理的思考力）とは、論理的な分析と推論ができる能力のことであり、複雑な情報を取り扱い本質的な課題解決を行うコンサルタントにとって必須のスキルになります。

コンサル業界では「結論ファースト」という言葉が頻出しますが、まずは結論を導くための仮説を立案し、その結論を出すためのファクト（根拠）を論理的に構成する必要があるからです。

具体例として、クライアント企業の売上を10%増加させる戦略立案をするテーマの場合、市場分析や競合分析、事業ポートフォリオ分析を行い、それらのデータを基に戦略を立案します。

これらの検討プロセスにおいて論理的思考力が欠如している場合、「結論に結び付いた根拠がわからない」「話のストーリー（つながり）がわからないから納得できない」とクライアントの合意形成ができません。

そのため、質の高いコンサルティングサービスを提供するためには、問題提起・課題発見・課題特定・解決策の提案の一連のプロセスにおいて、論理的に組み立てた説得力あるスキルが必要なのです。

2位.問題解決能力

問題解決能力は、コンサルタントの仕事そのものの価値に直結する重要なスキルになります。

下図のように問題解決には「課題抽出・ヒアリング」「課題分類・グルーピング」「原因究明・因果関係の特定」「課題特定・優先度付け」「解決策の洗い出し・評価/選定」「解決策提案・導入アプローチの計画策定」があり、これらの一連のプロセスをテーマに合わせて検討する必要があります。

また、そもそもコンサルタントの仕事はクライアント自身でも解決できない課題をアウトソースしているため「超難解なテーマ」であることが多いです。

例えば、コスト削減のテーマを支援する場合、既にクライアントは社内で削減策を実行したのにも関わらず、そのうえでコスト削減余地を絞り出す必要があります。

具体的なアプローチとしては、過去の同類業界のコスト削減事例の調査、現状のクライアントの間接材・直接材のコストデータの収集・分析、無駄なコストが発生している分野の特定、削減案を実行するためのベンダー見積交渉など、具体的な改善策を提示するための戦略と実行を行います。

このように、超難問を解くコンサルタントの頭脳＝問題解決能力と言っても過言ではないほどに、重要な能力なのです。

8位.時間管理能力

コンサルタントの仕事はマルチタスクで膨大な作業を要するため時間管理能力を身につけ効率的にプロジェクト推進することが大切です。

例えば、複数のチームやワーキンググループを管理する場合、各プロジェクトの締切や重要度を考慮し、日々のスケジュールを調整することが挙げられます。

限られた時間の中で最大の成果を出すためには、タスクの優先順位をつけ、効率的に業務をこなさなければいけないのです。

9位.業界または領域の知識と専門性

業界または領域の知識と専門性は、コンサルタントにとって大きな強みとなります。

例えば、製薬業界に特化したコンサルタントは、その業界のトレンド、規制、市場動向、技術革新などに関する豊富な知識を持ち、クライアントに対して具体的かつ実践的なアドバイスを提供することができます。

コンサルタントは常に新しい発見と経験を積むことで、他のコンサルタントとの差別化が図れます。

10位.肉体的耐久力・精神力

コンサルタントは、厳しい業務環境下でも持続的に高いパフォーマンスを発揮しなければいけないため肉体的耐久力と精神力が必要になります。

コンサルは「ハードワーク」「Up or Out（昇格するか辞めるか）」などを言われるほど、長時間労働でプレッシャーの大きい仕事です。

そうした仕事環境の中で、健康を維持し、ストレスを適切に管理する能力が求められます。

そもそもコンサルタントとは

コンサルタントとは、企業の経営課題を解決するために専門性や経験を駆使して解決策を提供する専門家の仕事です。

わかりやすく言えば「課題解決の専門家」

コンサルタントとは、簡単に言えば「課題解決の専門家」と言えます。

総務省と経済産業省が調査する経済センサス活動調査によると国内に存在する企業数は約337万（中小企業庁より）あり、うち上場企業数は約3,940社（東京取引所グループ（JPX）より）存在すると言われています。

業種別に見ても水産・農林業、鉱業、建設業、食料、医薬品、化学、電気機器、情報・通信業など数十種類の業種業態があり、各企業が抱える経営課題も、経営戦略・M&A・組織人事・会計税務・マーケティング・営業・SCM・物流・設計開発・AI/テクノロジーなど多岐に渡ります。

そうした多種多様な企業課題を解決するプロフェッショナル業であるコンサルタントは「業界の専門性」と「領域の専門性」を掛け算する形でクライアントの問題解決を遂行する必要があります。

そのため、下記のように代表的なコンサルティング職種だけでも専門分野別に様々な種類が存在するのです。

経営コンサルタントの仕事内容について、「具体的に何をするのか分からない」と疑問を持つ方も多いかもしれませんが、その根本的な目的や存在意義は、クライアント企業の課題を解決することにあり、課題の変化に応じて、コンサルタントの在り方も柔軟に変化していくのです。

コンサルタントの集団組織が「コンサルティングファーム」

これらのコンサルタントを集団化させた組織・企業は「コンサルティングファーム（コンサル会社）」と呼ばれ、外資・日系、戦略系・総合系・IT系・FAS系・シンクタンク系など強みとする専門分野の範囲が異なります。

つまり、「コンサルタント」と言っても様々な種類や働き方があるためそれぞれの違いや特徴を理解する必要があるのです。コンサル会社の強みや企業文化を知りたい方は下記も併せてご覧ください。

コンサルタントはスキルがつかない？と言われる理由

コンサルタントは多岐にわたるスキルを身につける必要があるにも関わらず、「スキルがつかない」と言われることが稀にあります。

理由として、コンサルタントの仕事はプロジェクトのテーマごとに異なり、かつ短期間で多くのプロジェクトを経験することが多いため、一つのスキルを深く掘り下げて習得する機会が少ないことが挙げられます。

例えば、1年間で5個のプロジェクトに関わった場合、各プロジェクトで必要とされるスキルセットが異なるため、特定のスキルに対する専門性を高めることが困難になります。

一方で、様々なテーマを扱うことで、ビジネスマンとしての基礎スキルは一般的な事業会社の業界よりも身につくスピードも速く成長率も早いため「スキルはついている」と自信を持ちながら日々の業務に励むことも重要になります。

コンサルタントの究極のスキルアップ方法

コンサルタントに求められるスキルや能力は様々ありますが、重要なことは「そのスキルを速く習得すること」にあります。

ここでは、コンサル実務経験者がスキルアップをするために大切にしている３つの方法を紹介します。

やりがいを持ってポジティブに働く

コンサルタントのスキルアップを加速させるためには、何よりもやりがいを持ってポジティブに働くことが重要です。

コンサルタントの仕事は常に目新しいトレンドや技術に向き合うことができるため学習範囲も量も圧倒的に多いですが、仕事に対する情熱とポジティブな姿勢を持つことで吸収力も増し自己成長を促進します。

また、自身のプロジェクトがクライアントに大きな価値を提供したことと実感できる場合場合、その成功体験はモチベーションの向上につながり、さらなるスキルアップへの意欲を高めます。

コンサルタントのやりがいの例として下記があるため是非前向きに日々の業務にトライしてみましょう。

特定領域に絞って専門分野を極める

コンサルタントのスキルアップには、特定領域に絞って専門分野を極めることが効果的です。

例えば、小売り業界のデータ分析に特化したコンサルタントは、小売業界で必要となるデータ種の理解や、バリューチェーンの理解、ビッグデータを活用した市場分析や顧客行動の予測、AI/アナリティクスツールの操作近いなど、高度な分析スキルを駆使してクライアントの課題解決に貢献できます。

専門分野を極めることは「広く浅く」のゼネラリストになりがちなコンサルティングの仕事をキャリアパスを上手にコントロールすることで、「深く狭く」のスペシャリストになることもスキルアップの一つの手になります。

職位を上げてプロジェクトマネージャー（PM）経験を積む

コンサルタントのスキルアップにおいて、職位を上げてプロジェクトマネージャー（PM）としての経験を積むことは、管理能力やリーダーシップの向上に寄与します。

下記はコンサル業界の職位別の業務内容です。

特に、アナリストやコンサルタントなどの一般社員ランクのままでは、コンサル業界の本当のスキルを養うことができないため、管理職以上であるマネージャーやパートナーを目指すことも大切です。

そのうえで登竜門となるPMとしての経験は、プロジェクト全体を俯瞰し、チームを率いて目標達成へと導く能力を養うことができ、プロジェクトを成功に導いた経験はプロジェクト管理能力だけでなく、クライアントやチームメンバーとのコミュニケーション能力も高めコンサルタントとしての価値を大きく向上させます。

まとめ

最後にまとめです。

コンサルタントに必要なスキルや能力の一覧を振り返りましょう。

企業の人材開発・人材採用担当者・プロジェクト責任者や、現役コンサルタント、これからコンサルタントを目指す転職活動中の方は、「コンサルタントに必要なスキル」を今一度念頭に置きながら、より多くの課題解決をしていきましょう！