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SAP HANAとは、High-performance ANalytic Applianceの略称から「HANA(読み方:ハナ)」と呼ばれ、カラム志向型のインメモリーデータベース(IMDB)により膨大なデータの高速処理の特徴を持つデータベース管理システム(DBMS)です。
ERP世界シェアNo1のSAP社が提供するサービスであり、オンプレミス型ERPのSAP S/4 HANAや、クラウド型ERPのSAP S/4HANA cloudを製品として提供しています。
最近では、経済産業省がDX推進に積極的に取り組んでいるや、「SAP 2027年問題(サポートの終了)」によるERP刷新ブームが到来したことから、企業の経営幹部やIT担当者はERPを活用したビジネス改革に更に注目をするようになってきました。
SAP S/4 HANAのモジュールには「財務管理(FI)」「管理会計(CO)」「販売管理(SD)」「在庫購買管理(MM)」「生産計画管理(PP)」などがあり、企業の経営資源のヒト・モノ・金・情報を一元的に管理し効率的な業務と意思決定の支援をしますが、一方で独自のシステム用語も多く基礎的理解をすることが難しい課題もあります。
本記事では、そのようなお悩みを持つSAP HANA初心者の方に向けて「SAP HANAの特徴とメリット・デメリット」の基礎知識を初心者の方にもわかりやすく簡単に解説していきます。
▼大上位概念の「SAP」自体も知っておこう!
SAP HANAはドイツを本拠地に置くSAP社が提供するサービスです。SAP HANAの基礎知識と同時にSAPとは?の基礎知識や基本機能・歴史などもインプットしておきましょう。
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監修
相馬秀幸
株式会社SowLab 代表取締役
大手製造業・デロイトトーマツコンサルティングを経てフリーコンサルに独立後、コンサル×メディア開発スキルを活かし株式会社SowLabを創業。製造・電子・通信・放送・広告/メディア・エンタメ業界を中心に、経営戦略、新規事業開発、M&A、組織人事戦略、マーケティング・営業戦略、次世代マスメディア戦略、SAP/ERP導入、生成AI活用、WEB設計/開発、SEO戦略など多数のコンサルプロジェクトを経験。
執筆者/運営会社
株式会社SowLab
コンサルフリーマガジン事務局
コンサルフリーマガジンは株式会社SowLab(ソウラボ)が運営する日本最大級のコンサル情報メディア。新規事業開発・組織人事・マーケティング・生成AI・SAP/ERPを専門としたコンサルティング事業、フリーランスエージェント事業(コンサルフリー)、デジタルメディア事業を展開。
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SAP HANAは、SAP SE(本国:ドイツ)が開発・サービス提供をしている、インメモリーデータベース設計のデータベース管理システム(DBMS)です。
High-performance ANalytic Applianceの略称から「HANA」と名付けられ、高速なデータ処理とリアルタイムデータ分析を可能にし、企業の意思決定を支援します。
SAP HANAの特徴は下記3つがあります。
インメモリーデータベース(IMDB)とは、従来のディスクやSSDではなくコンピューター上のメインメモリー(RAM)にデータを格納するため、従来のデータベースよりも約3600倍もの高速処理を実現します。
従来のデータベースの場合、データをハードディスクに書き込み・変更の処理を行うため膨大なデータ量の増加に伴い時間を要してしまいましたが、インメモリーデータベースではメモリ上で直接処理ができるため処理スピードが圧倒的に早くなる特徴を持ちます。
下記はSAP HANAの公式サイトで公開されているSAP HANAの速さを記した結果になります。
カラム型データベースとは、従来のロー(Row|列)ではなくカラム(Column|列)をベースとして設計思想となっており、従来のロー型よりも集計処理が高速にできるようになります。
カラム型思考の設計は、膨大なデータ量の分析処理に適しているため、昨今のデータ量が増加する時代では適した設計と言えます。
世界のERPベンダー別シェアを調査した「2021 ERP Applications Market Shares Split By Top 10 ERP Vendors and Others」では、SAPが業界シェアトップとなっており、グローバルで約40,000社以上が利用しているとされています。
米国の売上高ランキング1000社を意味するFortune 1000に代表する「Walmart」「Exxon Mobil」「Apple」「McKesson」「Chevron」「General Motors」などもSAP S/4 HANAを利用しているとされており、圧倒的な信頼と実績を得ていることがわかります。
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SAP HANAの歴史は2010年に「SAP HANA 1.0」が発表されたことが始まりとなっており、現在では約30,000社以上のクライアントに導入実績があると言われています。
下記はSAPがERPを提供やSAP HANAのサービスリリースから現在までの歴史表になります。
1972年 | 世界初のERP「SAP R/1」がリリース ※資材管理生産計画手法のMRPを起源とし開発される |
1979年 | 第2世代「SAP R/2」がリリース ※SAP ERP独自言語のABAPが誕生しアドオン開発が可能になる。 |
1992年 | 第3世代「SAP R/3」がリリース ※クライアント・サーバ型のERPパッケージとなる。 |
1992年 | SAPの日本法人(SAPジャパン)が設立 ※日本ではSAP R/3 ECC6.0などが多く導入される。 |
2010年 | SAP HANA 1.0がプレリリースバージョンとして発表 |
2012年 | SAP HANA Cloud PaaS (Platform-as-a-Service) のリリース |
2013年 | SAP HANA Enterprise Cloud (HEC) のリリース |
2014年 | 12.1ペタバイトの最大データウェアハウスとしてギネス世界記録を更新 |
2015年 | SAP HANA2.0およびSAP S/4HANA ERP システムのリリース |
2016年 | SAP BW/4HANA データウェアハウスソリューションのリリース |
2018年 | SAP HANA Cloudが発表 |
2020年 | SAP HANA Cloudがリリース |
SAP社は1972年世界初のERPを提供した業界のパイオニアであり、SAP HANAでは10年以上の歴史を持っていることがわかります。
SAP HANAを導入することでどのようなメリットが得られるのか?実際の企業の活用事例を見ながら解説します。
SAP HANAはグローバルでも豊富な実績があるベストプラクティスをベースにしている統合基幹システムであり、グローバルで十分な結果をもとに標準化されたシステムに業務を合わせることができます。
「Fit-to-Standard」とはITやシステム導入において、追加開発・アドオン開発を最小限に抑え業務プロセスをシステムに合わせていくアプローチです。
システム導入のよくある失敗事例として、現行業務に依存してしまいパッケージシステムの標準機能から逸脱し追加開発しすぎてしまい、本来のERP製品のシステム連携ができないことや、パッケージのバージョンアップデートに対応できなくなることがあります。
これらの課題を解決するためにグローバルスタンダードであるSAP ERPのシステムの標準に、財務管理・管理会計・販売管理・在庫/購買管理・生産計画管理・品質管理など企業経営に必要な業務プロセスのBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング/Business Process Re-engineering)を推進することができます。
SAP HANAを導入することで、膨大なデータを一元的に管理することで関連部門の情報連携がスムーズになり業務負荷の軽減や人件費そのものを削減することができます。
従来、メインフレームの時代ではここに乱立したシステムが個別最適で管理されていましたが、ERPを導入することで全体最適(全社最適)での運用ができるため、会社として統一されたデータフォーマットに抜け漏れなく情報を綺麗に整理することが可能になります。
また、SAPの製品の良さは、ERPだけでなく周辺領域であるCRM・支出管理・SCMなどのソフトウェア群もあるため、会社全体で分断されていた情報を多次元的に分析・見える化することができます。
さらには、SAPは30種類以上の言語でサポートされており、国際会計基準にも対応しているため、グローバルに展開する企業でも国境をまたぎ全社的にDX推進を進めることができます。
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「SAP HANA」と「SAP S/4 HANA」の違いは、SAP HANAはインメモリ型データベースであり、SAP S/4 HANAはそれらのデータ基盤で実装されるERPソフトウェアとなります。
「SAP HANA」という言葉自体は、SAP S/4 HANAのデータベース基盤を意味しており、インメモリ型データベースを特徴とした高速処理が可能なデータベース管理システム(DBMS)です。
ERPソフトウェアのSAP S/4 HANAのデータ基盤となる新システムのコア技術となります。
「SAP S/4 HANA」はオンプレミス型のERPソフトウェアです。
オンプレミス型とは、自社でインフラからアプリケーションまで自前で保有するアーキテクチャーを意味した言葉であり、セキュリティが厳しく自社でデータ管理を徹底しなくてはいけないグローバル企業や大手企業が採用するケースが多くあります。
オンプレミス型ERPの場合は、フルスクラッチ(ERPパッケージを導入するのではなく自社で独自開発する)の形態も多く、自社の業務を鑑みた独自のERPシステムを自由自在に構築することができます。
一方で、システムの運用保守コストが増大化する傾向があり社内にERPシステム構築部隊を常時抱えなければいけないデメリットがあるため、昨今ではクラウドシフトが主流となっています。
オンプレミス型ERPの
メリット・デメリット
メリット
デメリット
SAP S/4 HANA Cloudはクラウド型ERPソフトウェアです。
調査会社ITRの「ERP市場2023」のレポートによると、ERPのSaaS・パッケージ(IaaS)・パッケージ(オンプレミス)の中でも、クラウドシフトを意味するSaaSはCAGR(2021年~2026年)20.5%増と急成長をしていることがわかります。
SaaS・PaaS・IaaSとは、前述したオンプレミス型に対し、SAPのようなパッケージベンダーが提供するサービスを使うことで機能拡張や初期投資の極小化ができるメリットがあります。
SaaS型ERPの
メリット・デメリット
メリット
デメリット
「ERPとは?」のそのものの基礎知識を知りたい方は下記記事で詳細解説いているため一緒にご覧ください。
SAP HANAには「モジュール」というSAP製品が持つ業務プロセス領域別の機能群を持ちます。
SAPはERPとして一元的に管理される統合基幹システムではありますが、各業務領域ごとに標準機能で最適化されたアーキテクチャーで成り立っています。
下記はSAP HANAの主要なモジュール一覧になります。
略称 | SAPモジュール名称 |
---|---|
FI | 財務会計(FInancial Accounting) |
CO | 管理会計(Controling) |
PS | プロジェクトシステム(Project System) |
SD | 販売管理(Sales and Distribution) |
MM | 購買/在庫管理(Material Management) |
PP | 生産計画/管理(Production Planning and Control) |
QM | 品質管理(Quality Management) |
PM | プラントメンテナンス(Plant Maintenance) |
HR | 人事管理(Human Resources) |
SAPコンサルタントを目指す方のキャリアパスとして、「モジュールを習得する」「周辺モジュールを習得する」「特定領域のモジュールのスペシャリストになる」という流れが多いため、どのモジュールを強化するかも含めてみてみましょう。
SAP FI(財務管理)とはFinancial Accountingの略称であり、会計関連の「財務会計領域」のモジュールです。
SAP FI(財務管理)とSAP CO(管理会計)はSAPシステムにおける独立したコンポーネントであることことから「SAP FICO」などと呼ばれることもあります。
そもそも財務会計とは企業の投資家や債権者など外部向けに作成する会計処理方法であり、外部からの出資や融資を受けるために、社外向けの財務諸表を公開することでステークホルダーからの評価を得ることを目的にしています。
モジュール名 | 財務会計(FInancial Accounting) |
略称 | FI |
主な役割/機能 | 社外向け財務諸表(損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー)の作成 サブモジュールとして下記がある。 ・総勘定元帳(FI-GL) ・債権管理(FI-AR) ・債務管理(FI-AR) ・固定資産会計(FI-AA) |
関連性の強いモジュール | 管理会計(CO)、販売管理(SD)、購買/在庫管理(MM)、生産計画/管理(PP) |
SAP FIはメイン機能として社外向けの財務諸表を作成する機能を持ち、企業のトランザクションデータを集約する総勘定元帳(FI-GL)、債権管理(FI-AR)、債務管理(FI-AR)、固定資産会計(FI-AA)などのサブモジュールにより構成されています。
SAP ERPの中でも企業の根幹の機能を持つことや、SAP社が会計システムから始めたこともあり、コアモジュールとして導入する企業は多く存在し、実際に、SAP FIの認定コンサルタントも多く、ERPの全体を理解するためにも習得しやすい特徴があります。
SAP CO(管理会計)とはControlingの略称であり、会計関連の「管理会計領域」のモジュールです。
管理会計とは自社向けに社内の意思決定や経営状況を把握するために作成する会計処理方法です。前述した財務会計は社外向けでしたが、自社向けに作成することで社内で見たい切り口で会計情報を整理する違いがあります。
モジュール名 | 管理会計(Controling) |
略称 | CO |
主な役割/機能 | 実績伝票の作成 計画伝票の作成 実績データ・計画データの比較 貢献利益管理の作成 サブモジュールとして下記がある。 ・原価要素会計(CO-OM-CEL) ・原価センタ会計(CO-OM-CCA) ・活動基準原価計算(CO-OM-ABC) ・内部指図(CO-OM-OPA) ・製品原価管理(CO-PC) ・収益性分析(CO-PA) ・利益センタ会計(EC-PCA) |
関連性の強いモジュール | 財務会計(FI)、販売管理(SD)、購買/在庫管理(MM)、生産計画/管理(PP) |
SAP COの主要機能は「間接費管理(CO-OM)」「製品原価管理(CO-PC)」「収益性分析(CO-PA)」があり、自社向けの管理会計をメインスコープとしています。
SAP COはSAP FIで集約した各種データを自社向けに処理するプロセスの流れから、自社の経営管理や意思決定のプロセスやKGI・KPIの指標を正しく理解し導入を進めていくことがポイントになります。
SAP SD(販売管理)とはSales and Distributionの略称であり、ロジ系の販売管理領域のモジュールです。
販売管理とは、システム内で定義された販売伝票(得意先引合・見積、受注、基本契約・分納契約、販売契約、無償出荷、クレームなど)に基づき多用な取引を実行することができます。
モジュール名 | 販売管理(Sales and Distribution) |
略称 | SD |
主な役割/機能 | 販売伝票から出荷伝票・請求伝票を処理する機能 販売伝票の処理 得意先引合/得意先見積 受注・部分受注(SD-SLS-PL) 即主な受注伝票 分納契約(登録・変更・紹介・完了) 得意先基本契約 クレーム バックオーダー処理、など |
関連性の強いモジュール | 財務会計(FI)、管理会計(CO)、販売管理(SD)、購買/在庫管理(MM)、生産計画/管理(PP) |
SAP SDは企業の販売・出荷・請求プロセスにおいて販売伝票・出荷伝票・請求伝票を作成する機能を持っており、企業が取引先に対しどのような注文が入り、納期状況や請求状況を管理することができます。
SAP MM(在庫購買管理)とは、Material Managementの略称であり、「在庫・購買管理」のモジュールです。
在庫購買管理とは、発注依頼・購買発注・入庫・請求書照合などの機能を有し、購買にかかる一連のプロセスを管理する役割を持ちます。
モジュール名 | 購買管理・在庫管理(Material Management) |
略称 | MM |
主な役割/機能 | 明細に対する勘定設定の指定 品目マスタに登録されている品目の発注 品目マスタに登録されていない品目の葉中 製造者製品コードに対する品目の発注、など |
関連性の強いモジュール | 財務会計(FI)、販売管理(SD)、生産計画/管理(PP) |
SAP PP(生産・計画管理)とは、Production Planning and Controlの略称であり「生産管理」のモジュールです。
生産計画・製造指図・製造実行・生産性分析まで製造生産における一連のプロセスを効率化することができます。
モジュール名 | 生産計画・管理(Production Planning and Control) |
略称 | PP |
主な役割/機能 | 生産計画 製造指図 製造実績 |
関連性の強いモジュール | 販売管理(SD)、在庫・購買管理(MM) |
SAP QM(品質管理)は、Quality Managementの略称であり、「品質管理」のモジュールです。
品質管理は出荷される製品や材尾に受け入れる製品が製品品質の基準に満たしているかを自動的またはマニュアルの効率化をしてチェックすることができます。
モジュール名 | 品質管理(Quality Management) |
略称 | QM |
主な役割/機能 | 入庫処理用の品質検査 倉庫での品質検査 返品用の品質検査 |
関連性の強いモジュール | 販売管理(SD)、在庫・購買管理(MM)、生産計画管理(PP) |
SAP HR(人事・給与管理)は、採用管理・福利管理・人件費予算管理・勤怠管理・インセンティブ管理など人事や労務回りの業務を効率化する役割を果たします。
モジュール名 | 人事管理(Human Resource) SAP Succes Factors |
略称 | HR |
主な役割/機能 | 人事管理 福利厚生管理 勤怠管理 給与計算 タレントマネジメント ヒューマンエクスペリエンス管理 |
関連性の強いモジュール | 財務会計(FI)、管理会計(CO) |
人事関連のERPとしては、HCM・HRIS・HRMSなどと呼ばれるシステムが存在します。
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SAP導入のおいてプロジェクト担当者やIT担当者が気を付けておくべき課題やデメリットを紹介します。
SAP HANAの導入において、システム導入費用や維持費用がかかってしまうのはデメリットになります。
SAP S/4 HANA の料金はクライアントにより異なるため公式ページ上では非公開となっているため厳密な標準価格はありませんが、ライセンスの数を鑑みると数十万~数億円などになるケースもあります。
下記はSAP ERP導入にあたり想定される費用項目になります。
費用項目 | 内訳 |
---|---|
ライセンス費用 | SAP ERPのパッケージタイプの利用ユーザー数ごとの費用 |
ハードウェア費用 | SAP ERPを実装させるために必要なハードウェアの費用 |
初期導入費用(外注費) | SAP ERP導入にあたるベンダーまたはコンサルティング委託費用 |
初期導入費用(販管費) | SAP ERP導入における社内の人件費。プロジェクトとして推進検討することが多いため、SAP導入プロジェクトメンバーの工数が人件費となる。 |
トレーニング費用 | 社内の従業員向けに新システムの利用の定着化を推進するためのトレーニング費用。e-Learningや教育カリキュラムなどを組む場合がある。 |
周辺システム導入費用 | SAP ERP製品の導入に際する周辺システムの費用。ERP刷新の場合、周辺システムも同時に更新・購入する場合がある。 |
SAP HANA導入の難しさは、大規模システムのERPの複雑なシステムアーキテクチャーの理解やSAP導入の知見や経験が求められてることにあります。
SAP導入は規模も大きいことが多く、2~5年ほどかけてプロジェクトを発足・推進しリリース、運用保守まで行うことがあります。そのため、プロジェクトの推進可能なPMO経験や大規模システム導入によるベンダーマネジメント、システム全体PMOなどのスキルが求められます。
SAPには「SAP認定コンサルタント資格」という約100種類以上にもなる資格があり、ITベンダーやコンサルティングファームは資格保有者を公開しています。実際に、SAP公式サイトの「SAP 認定資格取得数」では、最新の取得ライセンスの内訳やどの企業が最も取得しているかをデータで可視化しています。
資格取得の多い企業では、アビームコンサルティング株式会社、アクセンチュア株式会社、富士通株式会社、日本アイ・ビー・エム株式会社、PwCコンサルティング合同会社が上位となっています。
SAP導入において経験者が必要になることを解説しましたが、一方で「そもそもSAP人材が不足している」という課題もあります。
経済産業省が調査した「IT人材育成の状況等について」では、2030年には高位シナリオで約79万人、中位シナリオで約59万人のIT人材が不足すると言われています。
更には、「SAP 2027年問題」にもあったように現在は多くの企業でSAP ERP刷新がブームになっていることから、各コンサル会社・ITベンダーでも慢性的なSAP人材不足になっているのです。
そのため、早期に優秀なSAP人材を獲得する、または社内でSAP人材を育成・教育していくことが企業には求められています。
▼SAPコンサルタントに依頼もおすすめ!
SAPコンサルタントとは、SAPの導入を戦略立案から実行支援まで一気通貫でサポートとするSAPの専門家です。SAPコンサルタントは、モジュールコンサルタントや、ABAP開発の設計・開発、運用保守などに長けているため、自社で補えないプロフェッショナル補完をすることができます。
SAP HANAとは、インメモリ型データベースをコア技術としたデータベースであり、それらを基盤にERPソフトウェアであるSAP S/4 HANAやSAP S/4 HANA cloudが提供されていることをご紹介しました。
一方で、SAP HANAの導入は専門知識が必要であり「導入に課題を抱える企業」や、SAP HANAの専門知識を持っていても案件獲得できない「フリーランス」の方は多いでしょう。
SAP HANAの導入を自社で検討する際に「やり方がわからない」「どのように検討を進めていくべきか迷っていしまう」など、活用するハードルが高いと思われる方も多いでしょう。
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相馬秀幸(そうま ひでゆき)
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