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CRM(Customer Relationship Management)とは、自社と顧客の関係を管理することを目的とした「顧客関係管理システム」です。
経済産業省は、日本企業の国際競争力を高めるためにDX推進施策やデジタル人材育成施策に積極的に取り組んでおり、CRMなどのデジタルを駆使した企業のDX改革は更に注目を集めています。
DXの施策の中でも「CRM」は、顧客情報管理・メール配信機能・営業進捗管理・問い合わせ管理・ドキュメント管理・分析レポート機能などが備わっており企業の顧客を管理する最重要のデータ基盤になります。
一方で、CRM以外にもSFA・MAなどのツールもあり、活用目的や基本機能を理解したうえで導入をしないと十分な効果を得られず導入・維持コストだけがかかってしまうリスクもあります。
本記事では、CX・マーケティングコンサルタントのプロである筆者が「CRMの基本機能とメリット」を実際の活用事例を交えながら、CRM初心者の方向けにわかりやすくご紹介していきます。
▼CRM導入前にマーケティング戦略を立てよう!
CRMは営業・マーケティング業務の「実行」を効率化する重要なシステムですが、実行だけでなく「戦略」も持っておくことが効果を最大化するために大切です。大上位概念であるBtoBマーケティング戦略の立て方や基礎知識を知りたい方はご一緒にご覧ください。
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CRMとは、Customer Relationship Managementの略称であり、「顧客関係管理システム」を意味します。
わかりやすく言うと、膨大な顧客データを企業組織として一元管理し顧客を深く理解するためのツールと言えます。
CRMシステムを導入することで、見込み顧客のニーズや課題、購買導線などを可視化できるため、顧客を深く理解し適切なタイミングで効果的なマーケティング施策の実現が可能になります。
下図はBtoBマーケティング組織を図示したものですが、対顧客に対し企業は広報PR・マーケティング・営業・インサイドセールス・アフターサービス・商品企画・ITと様々な部門がそれぞれのアプローチをするため関係性が煩雑になりやすい課題があります。
そこで、CRMシステムにより顧客情報を一元化することで企業組織全体としての仕組み化された顧客との繋がりを強化することができるのです。
大きなマスマーケットから見込み顧客を創出する「デマンドジェネレーション」や顧客を起点をした「ABM(アカウントベースドマーケティング)」などのマーケティング手法を実現するために、顧客情報を一元化し分析が可能となるCRMは年々重要視されてきています。
CRMシステム・ツールが国内で注目されてきた理由には、IT・テクノロジーの発展から生活者の顧客接点が多様化され一人あたりが持つ顧客情報が増大化した背景があります。
事実、IT専門調査会社IDCが行った「国内顧客エクスペリエンス(CX)関連ソフトウェア市場および国内CRMアプリケーション市場予測」によると、国内CRMは市場規模は約2,174億円と前年比17%増の急成長市場であると推測されています。
ここでは、「なぜCRMシステムが必要とされているのか?」の背景を時代の変遷の流れと共に解説します。
CRMシステムが企業に必要とされる背景としてアナログからデジタルへの顧客接点の変化が挙げられます。
下図は情報通信の発展と生活者のコミュニケーション接点を時代の変遷とともに図示したものです。
ご覧のように、1970年代ではアナログ通信と主体としていたことから生活者の情報接点は地上波放送のテレビや固定電話となっていました。
その後、2000年代に携帯電話がスマホ化されたことから生活者の行動導線は一変し、SNS・アプリ・クラウドサービス・デジタル放送などスマホ中心の世の中と変わりました。
昨今では5Gやビッグデータ時代に突入し、膨大な情報を高速な通信回線で処理できるようになり、VRや動画などよりデータ量が重く臨場感のあるコミュニケーション接点へと更に移り変わっています。
このように、生活者が接する情報媒体は時代と共にデジタル化・多様化していることから、企業は「デジタルを通じた顧客との接点」が増えてきました。CRMシステムはデータの集積体となるため、デジタル社会においてその注目が増したと考えられます。
一方で、テクノロジーの発展により顧客接点が多様化したことで、顧客一人当たりが持つ情報量は年々増大化している課題があります。
アメリカに本社を持つ世界最大のCRM会社であるセールスフォース(Salesforce)社が行った「Salesforce’s State of Marketing report」の調査結果によると、マーケティングとして用いる顧客データの量は2年間で約2倍も必要とされていることがわかっています。(2021年の2倍のデータ量が2023年には必要となっている)
マーケティングにおいて顧客分析のデータとして下記がありますが、2022年4月に改正個人情報保護法が施行されるなどプライバシーポリシーの規制により、3rd party dataの取得が困難になり、顧客の同意を得るZero Party Data(ゼロパーティーデータ)の重要性が高まっています。
▼マーケティング活動で必要となるデータの種類
つまり、多様化する顧客接点の変化とともに、企業にとって「顧客の情報を的確に把握し管理すること」=「企業存続を賭けた競争戦力」となり、顧客関係情報を管理するCRMシステムが注目されるようになったのです。
CRMと違いが混在するシステムにMAとSFAがあります。
CRM・MA・SFAは営業・マーケティング組織における三大システムであり、それぞれの違いを見てみましょう。
CRMシステムの活用目的は「自社の企業と顧客の関係を結びつける」ことです。
CRMは顧客と企業との間のデータのハブ(Hub)のような位置づけであり、会員情報・トランザクションデータ・Web行動情報など顧客情報を収集・蓄積し、一人ひとりに合わせた最適なマーケティング施策や営業活動の実現を可能にします。
MAとはマーケティングオートメーション(Maketing Autmation)の略称であり、その名の通りマーケティング業務を自動化し効率化することを目的としています。
下図はデマンドジェネレーションによる見込み顧客の育成プロセスです。
MAツールはリードジェネレーション・リードナーチャリング・リードクオリフィケーションの一連の流れのマーケティング活動を自動化・効率化できるため業務負荷を大幅に軽減することができます。
具体例として、MAを用いることで、見込み顧客(リード)を管理し、顧客のライフステージに合わせてDM・メルマガなど自動化して送ることができたり。スコアリングというホットリード(超優良顧客)の選別をすることもできます。
つまり、CRMがデータのハブであったのに対し、MAはマーケティング業務の効率化や実行をするためのツールということになります。
SFAとはSales Force Automationの略称であり、営業支援システムとも呼ばれます。
SFAの導入の目的は、営業メンバーを組織化・仕組み化することで効率的な営業活動を行い売上最大化をすることにあります。
属人的かつ状況が見えにくい営業業務において、どの営業マンがどこで誰とどのような商談をしているか?を可視化しリアルタイムで情報連携することが可能になります。
CRMとSFAは類似するところもあり混在しがちですが、SFAはあくまで営業組織の案件や商談にフォーカスをしているシステムとなります。
CRMシステムの基本的な機能をご紹介します。
顧客情報管理機能は、見込み顧客や既存顧客の個人の属性情報や在籍する企業情報、自社の営業組織との商談・取引情報を蓄積管理します。
例えば、BtoBの場合、顧客の行動ステージ(Web流入・問い合わせ・イベント参加)や、企業や個人の属性(企業規模・業種・従業員・決裁権)で情報を取得し顧客分類をしなければいけません。
BtoBの顧客情報の例
企業/個人属性
行動属性
上記をご覧のように、一人の顧客を正しく理解するだけでも膨大な情報量が必要となり、更にはBtoBマーケティング施策は20以上もあるため「顧客」×「施策」を適材適所で打ち出すことは簡単ではないことがわかります。
これらの顧客情報をCRMシステムであらかじめカスタマイズし設定することで漏れなくダブりなく情報を管理することができます。
メール配信・管理機能では、CRM上に登録された顧客のメールアドレスに対し、イベント情報や新商品情報、キャンペーン情報など顧客のセグメントや商談フェーズに合わせて自動配信しれくれます。
例えば、CRM導入前だと顧客のメールアドレスをOutlookやGmailなどのメールツールの宛先に追加し、メール文章をライティングし一人一人に送付していたため業務負荷がかかっていました。
しかし、CRMのメール配信機能を使うことで、同一かつ顧客の状況にカスタマイズされたメール文面を時間の予約投稿などで自動的に配信することができます。
更には、メールを開封しているか?メール上のURLのリンクをクリックしたか?などの開封率やCV率をトラッキングできるため、顧客の状況に合わせて最適なアプローチが可能になります。
営業進捗管理機能では、営業メンバーの商談内容・商談ステータス・受注確度を顧客と案件に紐づけ進捗を管理することができます。
特に営業メンバーは業務の特性上、外勤による取引先への訪問や移動が多いたね、内勤や上長への報連相がしづらい難しさがあります。
そのため、CRMを導入することで営業状況が関連部門でリアルタイムで連携でき進捗を組織として管理できます。
分析・レポートは顧客×案件の商談状況を様々なグラフや表で簡単に作成・閲覧できる機能です。
営業部門は毎月あるいは毎日のKPI(営業目標)があり、売上・利益目標を達成するために、当月売上予測や先月実績とのGAPなどを確認し、誰にどの商品を訴求していくかの積み重ねてがビジネス拡大に直結していきます。
CRM活用のメリットを、実際にシステム・ツールを導入した事例をもとに解説していきます。
CRMを導入することで顧客情報を一元化し蓄積できるメリットがあります。
CRM導入前では、企業のマーケティングや営業部門の人はそれぞれが対面する顧客情報をExcelやチームごとで異なるフォーマットで管理していたことから、顧客情報の深度が違い漏れがダブりが出てしまう課題があります。
一方で、CRMシステムでは予め自社が収取したい顧客情報のセグメントを定義し、必要な情報を適切なタイミングで収集・蓄積することができます。
昨今のデジタル社会において、1st Party Data(自社で取得する情報)やZero Party data(ユーザーの承認を得て取得するデータ)は競争戦力の源泉となるため、徹底された顧客管理基盤を持つことは優位性を高めます。
CRM活用事例と効果(例)
今まで営業部門のチームごとに顧客情報を入力するExcelを別々で管理していました。フォーマットも違うため、営業部門全体で見たときに情報の漏れが多くデータの突合も上手にできませんでした。CRMシステム導入後は、決められた項目に情報が入るため、情報の充足度がすぐわかり必要な情報取得も明確になりました。
早期にCRMを導入していたことから、数年経過し自社の顧客がどのような顧客属性(年齢・性別・行動導線・購買導線)であるか?を定量的に分析できるようになりました。自社のマーケティング施策をPDCAで改善検証する上でCRMは欠かせない存在となっています。
CRMを導入することで見込み顧客を正しく理解できるメリットがあります。
顧客情報量は膨大であり相手を正しく理解しないで不必要な施策を実施してしまうこともあり見込み顧客を創出するどころか、ロイヤリティが低下しブランドや自社商品に不満を持たれてしまうリスクさえあります。
しかし、CRMでセグメントとされた顧客情報を適切に管理していけるため、一人一人の顧客を起点にし仕組み化し組織として体系立てて適材適所のアプローチをすることが可能になります。
当メディアを運営する株式会社SowLabでもCRMを会社で利用しており、自社にとって顧客今どのような立場にいるか?何をすべきか?を検討する基盤になっています。
CRM活用事例と効果(例)
今までは自社が抱える顧客のニーズや課題は「対面時」に気にするくらいでした。CRM導入後は、自社が見えないときでも顧客がどのように自社を知り興味を持っているかが可視化され、顧客体験の見える化ができたと思っています。
CRM導入後は、顧客情報が様々なチャネルから取得されるため、潜在的な課題やニーズに気が付く事ができ、一人ひとりに合ったパーソナライズされたマーケティングがやりやすくなりました。
CRM導入により、営業・インサイドセールス・マーケティング・アフターサービス部門など横断する関連部門間でリアルアイムに情報連携ができます。
特にBtoBビジネスの場合は、対取引先の顧客企業に対し複数の営業メンバーや複数のマーケティング担当者がチームを組みアカウント営業攻略をします。
しかし、チーム間で情報伝達ができていないと、顧客に同じヒアリングをしてしまったり、一度送った資料を二度送るなど顧客ロイヤリティを下げてしまうリスクがあります。
CRMではシステム上に顧客に関する情報が一元的に管理されているため、PCやスマホなどインターネットさえつながればいつでもどこでも誰でもリアルタイムに情報を伝達・閲覧できるのです。
CRM活用事例と効果(例)
大口顧客を攻略するために10名程度の営業チームを組成しました。しかし、メンバーが多すぎてしまい気が付かないところでクライアントに同じ提案をしていたり、同じDMを三回出してしまうなど顧客からクレームをもらってしまいました。CRM導入後は移動の多い営業メンバーもスマホで状況が見えるため、いつどこで誰が何をしているか?がすぐわかるようになりました。
営業・マーケティングの管理責任をしているのですが、営業は仕事柄外勤が多く誰がどこで何をしているか?そして誰と何を話しているか?が見えず困っていました。特にリモートワークが増えた昨今では本当に仕事をしているのか?と懐疑的になるときもありましたが、CRMやSFA導入後は営業の見える化ができ管理しやすいようになりました。
▼外部のマーケティングコンサルタントの活用をしよう!
マーケティング人材を社内で採用・育成することはコストと時間がかかり変化の早いマーケティング領域では非常に苦労をします。そのため、即戦力となる「マーケティングコンサルタント」の活用も競争戦力として重要な考え方になります。別記事でマーケティングコンサルタントの仕事内容や依頼方法、おすすめ会社を解説しているので是非ご覧ください。
CRMシステム・ツールには様々なITベンダーがあります。
ここでは、国内でも利用シェアの高いSalesforce・SAP・Microsoft Dynamicsの3つをご紹介します。
Salesforceは、Salesforce, Inc.(本社:アメリカ)が運営するCRMソリューションを中心としたクラウドサービスです。
IDC社が調査した「Worldwide Semiannual Software Tracker」では、世界最大のシェア率19.5%を誇る世界最大のCRMソリューションとして人気があります。
大企業・中小企業向けに15万社以上がSalesforceを導入しており、「Salesforce Customer 360(CRM)」「Marketing Cloud(MA)」「Sales Cloud(SFA)」「Service Cloud(アフターサービスソリューション)」を提供しています。
運営会社 | 株式会社セールスフォース・ジャパン |
所在地 | 東京都千代田区丸の内1-1-3 日本生命丸の内ガーデンタワー(Salesforce Tower) |
本国 | アメリカ合衆国 |
HP | https://www.salesforce.com/jp/ |
商品群 | Salesforce Customer 360(全パッケージのCRM) Salesforce Sales Cloud(CRM+SFA/営業支援) Salesforce Marketing Cloud Engagement(BtoC向けMA) Salesforce Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot/BtoB向けMA) Salesforce Experience Cloud(Webポータルサイト) Salesforce Field Service(フィールドサービス) Salesforce Service Cloud(アフターサービス・コールセンター) Salesforce CRM Analytics(旧 Tableau CRM, Einstein Analytics) MuleSoft Anypoint Platform(API連携の統合プラットフォーム) |
Salesforceの特徴は「顧客を中心としたビジネス上の情報やプロセスを管理できる」ことです。
\Salesforceのおすすめポイント/
CRM・SFAの機能が統合されたSalesforce Sales Cloudの料金体系は下記となります。
料金プラン | 料金 |
---|---|
Essentials (ユーザー数10名まで) | 3,000円(税別)/ユーザー/年間契約 |
Professional (あらゆる規模のチームに対応) | 9,000円(税別)/ユーザー/年間契約 |
Enterprise (細かいカスタマイズが可能) | 18,000円(税別)/ユーザー/年間契約 |
Unlimited (CRM機能とサポートが無制限) | 36,000円(税別)/ユーザー/年間契約 |
SAP CRM(SAP C/4HANA)は世界最大のERPソフトウェア会社であるSAPは提供するCRM製品ソリューションです。
SAPはERP・Cloud CRPのイメージが強いですが下記のソリューション会社を買収をしHybrisをベースとしたアーキテクチャーになっています。
運営会社 | SAP ジャパン株式会社 |
所在地 | 東京都千代田区大手町 1 丁目 2 番 1 号 三井物産ビル 11F・12F(受付:2F) |
本国 | ドイツ |
HP | https://www.sap.com/japan/ |
商品群 | SAP Sales Cloud SAP Customer Experience SAP Commerce Cloud SAP Customer Data Platform SAP Customer Identity and Access Management for B2C SAP Customer Identity and Access Management for B2B SAP Enterprise Consent and Preference Management |
SAPのCRMが下記5つの特徴を持ちます。
\SAP CRMのおすすめポイント/
Microsoft Dynamics CRMはMicrosoft社が提供するCRMツールであり、「Micorosoft Dynamics 365」のCRM/ERPの業務アプリケーションの一つになります。
Microsoft Dynamics 365とは、Office製品との連携を強みとしたCRM(Microsoft Dynamics CRM)とERP (Microsoft Dynamics AX)をクラウドサービスとして統合した業務アプリケーションです。
営業・マーケティング・サービス・財務・サプライチェーンの業務効率化が可能になります。
CRM領域としては、「Dynamics 365 Sales」「Dynamics 365 Marketing」「Dynamics 365 Customer Insights」などのCRM/MA/SFAなどのツールを提供しています。
運営会社 | 日本マイクロソフト株式会社 |
所在地 | 東京都港区港南 2-16-3 品川グランドセントラルタワー |
本国 | アメリカ合衆国 |
HP | https://www.microsoft.com/ja-jp/ |
商品群 | Dynamics 365 Sales Dynamics 365 Marketing Dynamics 365 Customer Insights Dynamics 365 Field ServiceField Service Dynamics 365 FinanceFinance Dynamics 365 Business Central Dynamics 365 Supply Chain Management Dynamics 365 Commerce Dynamics 365 Human Resources Dynamics 365 Project Operations |
Microsoft Dynamics CRMは下記の特徴を持ちます。
\Dynamics 365 CRMのおすすめポイント/
Dynamics 356 Salesの料金体系は下記となります。
料金プラン | 料金 |
---|---|
Dynamics 365 Sales Professional | 65ドル/ユーザー/月 |
Dynamics 365 Sales Enterprise | 95ドル/ユーザー/月 |
Dynamics 365 Sales Premium | 135ドル/ユーザー/月 |
Dynamics 356 Marketingの料金体系は下記となります。
料金プラン | 料金 |
---|---|
Dynamics 365 Marketing | 1,500ドル/ユーザー/月 |
Dynamics 365 Marketing Attach | 750ドル/ユーザー/月 |
CRMシステム・ツールは世の中に沢山の種類があるためどれを選ぶべきか悩んでしまいます。
ここでは、CRMシステム・ツールを選ぶ際のポイントを4つご紹介します。
CRMシステムを選ぶ際は自社の営業・マーケティング課題を解決できる基本機能を確認しておきましょう。
下記が代表的なCRMの基本機能一覧になりますので、必要なものをチェックしながら活用してみてください。
リード管理 | リードの管理 |
リードの割り当て | |
一括メール送信 | |
キャンペーン管理 | |
メールテンプレート | |
営業情報管理 | 取引先・取引先責任者管理 |
商談管理 | |
営業プロセス定義 | |
タスク管理 | |
スケジュール管理 | |
営業チーム管理 | |
分析・レポート | 売上予測 |
レポート作成 | |
ダッシュボード | |
リードスコアリング | |
商談スコアリング | |
コラボレーション | ファイル管理共有 |
チャット | |
レコメンド通知 |
CRMを選ぶ上で、SFAやMA、ERPシステムなどの他ツールとの連携や拡張性を知っておくことが重要です。
例えば、SalesforceのCRMを使う際は、MAツールとしてMarketing Cloudを使う方が連携がしやすいですし、ERPがSAPであればSAP CRM、Microsoft Office365(Powerpoint/Excel/Word/Sharepoint)を中心とした業務であればDynamics 365との方がシームレスに情報をつなげることができます。
また、顧客接点領域のツール・システムには、問い合わせフォームや日程調整フォーム、CDP、DMPなどの分析ツール、広告分析のGoogle アナリティクス(GA4)やSEOツールなど様々な周辺サービスがあります。
そのため、顧客関係基盤となるCRMとAPI連携がスムーズにできるか確認をしておきましょう。
CRMを選ぶうえで大切なことが導入後にしっかりと使いこなせるか?です。
特に、CRMシステムなどの導入において、IT部門がツール・システム選定・評価を行い、実際にツールを使う営業・マーケティングの業務メンバーは選定に関与できない場合も多くあります。
例えば、既存で使い慣れているレガシーシステムとの反発が起こり、「導入したのに使いづらい」「前のシステムの方が慣れていた良かった」とツールの仕様感やUIに慣れずIT改革に失敗してしまうこともあります。
CRMシステムはSaaS型のクラウドサービスであるため長期に渡って使い続けることが多く、電話サポート・チャット・訪問によるサポート・導入コンサルタントなど様々なアフターサービスオプションがあります。
CRMのライセンス費用は1ユーザーあたりで課金されることが多く、安いもので月間数千円、高いもので月間数万円と価格が大幅に異なります。
大企業となると実際にCRM/SFA/MAツールを利用する人は数百人になることもあるため、ライセンスコストだけでも大きな費用負担になるため、導入によりROIがしっかり出るかを事前に算出するようにしましょう。
CRMを導入しても「上手に使いこなせない」「システムを入れ替えたら現場担当者からクレームが来た」「以前よりも業務負荷が上がってしまった」など、失敗してしまう企業も多くいます。
ここでは、CRM導入でよくある失敗事例を見ながら、CRM選定担当者となるIT部門やマーケティング・営業部門の責任者の成功の秘訣をご紹介します。
CRMの導入にあたり、「何のためにCRM導入をするのか?」の目的を定めることは必要不可欠です。
よくある失敗事例として、CRMの導入がゴールとなってしまいシステムありきの推進をしてしまうことで、最終的に業務プロセスを煩雑化させてしまうことがあります。
そのため、例えば、営業・マーケティング戦略として業務プロセスの効率化とROI最適化を目指した場合、営業メンバーが顧客情報や商談情報を入力する手間を解消する自動化やシステムAPI連携をしたり、売上ではなく利益目標をKPIとする設計が必要になります。
CRMの目的は顧客と企業の関係性を管理することですが、自社が提供価値を訴求したい顧客は誰か?をペルソナとして定義しておくことは成功の秘訣です。
ペルソナ(persona)とは、自社の商品やサービスを提供する際、どのような人物に利用してもらいたいかを定義する具体的な架空の人物像です。
ペルソナという用語はスイスの精神科医・心理学者であるカール・グスタフ・ユングが提唱した言葉であり、「人間の外的側面」「内側に潜む自分」を意味しています。
マーケティング活動を行う際に、相手は何が欲しいのか?何に困っているのか?どんな潜在的な欲求を持っているのか?を想像できなければ、どんな施策を打ち出せば良いのか分かりません。
そこで、マーケティング活動における市場での特定の顧客セグメントを代表する、架空のキャラクター(人物)または顧客プロファイルであるペルソナを設定することで、相手をイメージし易くするのです。
例として、ペルソナ設定前後の顧客像を比較してみましょう。
Before
ペルソナ設定前
After
ペルソナ設定後
ご覧のように、具体的に顧客像をイメージすることで、CRM上で蓄積したい顧客の情報の設定項目や自社として重要視する指標が明確になります。
CRMとは企業と顧客の関係を情報管理するシステムですが、実際に顧客へのマーケティング施策に落とし込むためにはカスタマージャーニーを描いていくことが大切です。
カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスと出会い、購入・契約、そして再購入や継続をするまでの道のりのことです。
その道のりの中で、設定したペルソナがどのように行動するのかを徹底的に考えてマーケティング施策を実施することで、ペルソナと自社との関わりの中での体験そのものをより良くすることが可能になります。
下図のように顧客の行動フェーズごとにどのような思考や体験を何のマーケティング施策で訴求する方を具体的にシナリオを描きながら設計します。
CRMシステムとは顧客関係管理システムであり、デジタル社会における現代において営業・マーケティング・サービス組織の顧客データの要であることをご紹介しました。
一方で、CRMの導入や活用を自社で検討しようとすると「やり方がわからない」「どのように検討を進めていくべきか迷っていしまう」など、ハードルが高いと思われる方も多いでしょう。
このようなお悩みを持たれている企業の担当者の方、是非、CX・マーケティングコンサルティングに強いトップコンサル集団であるコンサルフリー(Consulfree)にご相談ください!
経済産業省のレポートでは日本のIT人材不足は2030年には約78.9万人不足すると推測しており、企業が自社だけでデジタル・DX人材を補うことは難しく外部からのIT人材を補完する変革期に突入しています。
コンサルフリー(Consulfree)とは株式会社SowLabが運営するフリーランス・副業者が登録するプロ人材検索プラットーフォームであり、Web上でいつでも好きな時に高度人材を探すことができます。
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相馬秀幸(そうま ひでゆき)
株式会社SowLab 代表取締役社長
デロイトトーマツコンサルティング合同会社のマネージャーを経てフリーコンサルに独立後、コンサル×マーケティング×デジタルメディア開発スキルを活かし株式会社SowLabを創業。フリーランス検索プラットフォーム「コンサルフリー」を運営。これまでに、経営戦略、新規事業開発、M&A、マーケティング/営業戦略、次世代広告メディア戦略、WEB設計/開発、SEO戦略、生成AI推進など多数のコンサルタントプロジェクトを手掛ける。年間200名以上の企業の事業開発/DX/マーケティング責任者やフリーランスと公私ともに対話する。独自で立ち上げたメディアは過去に5つあり、企画・設計/開発・ライティング・SEO対策・広告宣伝営業・メディア監修などメディアにも精通する。