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コンサルタントとは、会社の多様な経営課題と向き合い解決のための打ち手の考案や施策を実行する専門家の仕事です。
早速結論ですが、必ず知っておきたいコンサルタントの基礎知識は下記になります。
コンサルタントの働き方は、コンサルティングファーム在籍型コンサルタント、事業会社やベンチャー企業のポストコンサルタント、フリーランスとして個人で働くフリーランスコンサルタントなど様々な種類があります。
本記事では、コンサルタントをよく知らない初心者向けに、コンサルタントの基礎知識として意味や仕事内容を外資コンサル出身者の筆者が徹底解説していきます。
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コンサルタントとは、会社の多様な経営課題と向き合い解決のための打ち手の考案や施策を実行する専門家の仕事です。
ここでは基礎的なコンサルタントの意味や由来・発祥・国内の市場動向を紹介します。
“コンサルタント(consultant)”という職業の発祥は19世紀アメリカとなります。
経営学者であり科学的管理法の発案者として知られるフレデリック・ウィンズロー・テイラー 氏(Frederick Winslow Taylor)が、工場管理の効率化を目的に、労働者の作業工程の改善や標準化を試み工場を蘇らせたことが発端とされています。
テイラー氏は、工場を回帰させたことを皮切りに、コンサルタントという職業として数々の企業の再編や体系化をしたとされています。
コンサルタント(consultant)の意味は直訳すれば相談者という受け取る方も多いですが、そもそもの仕事として「経営課題を解決するプロフェッショナル」であると捉えることができます。
コンサルタント市場規模と需要動向を見てみましょう。
コンサルティング業界の世界市場規模は、2024年に3,540億米ドルを超え、2029年までには年平均成長率(CAGR)4.81%で拡大し4,477億米ドル(約66兆円規模)に達すると将来予測されています。(参照:Mordor Intelligence 「Consulting Service Market Size & Share Analysis – Growth Trends & Forecasts (2024 – 2029)」)
対して、日本のコンサルティング業界の市場規模は約1兆円~2兆円規模・CAGR4.0%程度で成長しており世界コンサル市場全体と同様に今後も伸びていく成長産業となっています。(参照:IDC 「国内ビジネスコンサルティング市場予測、2023年~2027年」)
外資コンサルティングファームであるPwCが発表する「日本企業のDX推進実態調査2022」のレポートを見ると、経営戦略に基づき全社的または一部の部門でDXに取り組む企業は90%に到達している一方で、DXの成果を十分に享受されていると感じている企業はそこまで多くないと推測できます。
つまりは、DXをしたい企業に対し、高度な専門性を持つデジタル×コンサルティング人材の活用ニーズがコンサルティング市場の加速の後押しをしていることと言えます。
コンサルタントとは何をするのか?商品は何か?と気になる人も多いでしょう。
結論、コンサルタントが売る商品は“人”そのものの知識や経験です。
コンサルタントの仕事は経営課題の解決であり、課題解決において最も効果的かつ効率性の高い課題を特定し最適な解決策を考案することです。
DXで注目されているCloud ERP(SAP、AWS、GCP、Azureなど)やCRM(Salesforce)などを導入支援することもありますが、コンサルティングファームはITシステムを売ることを目的としているのではなく、クライアントの課題解決にあった最適な手段を適切な方法で導入することを手助けしていることにあります。
そのため、DXに台頭するようなITシステムの選定も公平に評価/検証します。
コンサルタントには様々な働き方の種類があるためそれぞれの特徴を見てみましょう。
“コンサルタント”と聞くと多くのイメージがコンサルティングファームに正社員として在籍するコンサルタントです。
コンサルティングファームとはコンサルティング会社のことであり、企業組織としてコンサルティング業を生業とし、様々な専門性を持つプロフェッショナルを抱えている企業群となります。
世界約72万人のプロフェショナルを保有する世界最大級の経営コンサルティングファーム「アクセンチュア」や、最高峰の戦略ファームとされる「マッキンゼー・アンド・カンパニー」では約3万人と幅広い人数規模となっています。
ポストコンサルタント(ポストコンサル)とは、コンサルティングファームでの実務経験を持ち、コンサル業界から他業界へ転職し事業会社の経営幹部のポストで仕事をする職業です。
コンサル特有のスキルセットを持ち、高度な課題解決の経験を有すコンサルタントは、転職市場でも高い評価を受けることが多く、事業会社の経営を内側から行うキャリアを歩む方も多くいます。
事業会社だけではコンサルティングスキルが身につかないこともあり、コンサル業界→事業会社のポストコンサルポジション、という形でキャリアアップするケースです。
フリーランスコンサルタントとは、組織企業に属さない独立した個人としてコンサルティングサービスを提供するフリーランスの職種です。
「独立コンサルタント」「起業コンサルタント」「インディペンデントコントラクター」などと呼ばれることもあります。
コンサル会社やポストコンサルの経験を経て、個人事業主やひとり社長法人として生計を立てる昨今注目の働き方です。
企業に属さず案件を直接的に受けることで、年収が1.2~1.6倍ほど上がることが多く、一定の専門性と経験があれば独立しやすいことからコンサル業界では急増しているキャリアパスとなっています。
コンサルタントの仕事内容をコンサルティングファーム別に紹介します。
戦略系コンサルティングファームとは、マッキンゼー・アンド・カンパニーやボストンコンサルティンググループなどの上位戦略を主戦場とした会社です。
戦略系コンサルティングの仕事内容は、「ピュア戦略」「上位戦略」「戦コン」などと表現されることも多く、経営戦略・中期経営計画・M&A戦略・海外戦略など、企業経営の最上位課題の解決を行います。
コンサルティングの仕事の中でも、最高難度のコンサルティング業務であり、経営に対する知見や経験、高度な専門性、論理的思考力が求められるため希少性の高い仕事となります。
特にMBBと呼ばれる下記の企業は世界三大戦略コンサル会社と言われており、転職・就職難易度も極めて高い職業として知られています。
代表的なコンサル会社
BIG4系コンサルティングファームとは、世界四大監査法人でありDeloitte・PwC・KPMG・EYのコンサル部門を意味します。
いずれのBIG4も会計事務所を発端とした巨大組織なのですが、財務・税務などのナレッジやプロフェショナルリソースを活かしコンサルティング全般に事業を拡げた組織体です。
仕事内容としては、M&A・事業再編だけでなく、経営戦略・人事/組織・業務改革・DX/IT改革など総合系コンサルティングファームに近い領域まで手広くサービスを提供しています。
また、公認会計士などが所属する会計事務所やM&A・事業再建に強いFASなどをグループ会社に持ち、総合系コンサルティングファームとは違う独自の総合力を強みが特徴です。
総合系コンサルティングファームとは、戦略から実行・ITまで幅広い経営課題を解決する大規模なコンサルティング会社です。
企業の経営課題は、経営戦略・経営管理・財務/税務・人事/組織・マーケティング・営業・サプライチェーン・R&D・IT・セキュリティなど多岐に渡るため、一つのファームでワンストップで課題解決をすることを強みとしています。
総合系コンサルティングファームの特徴は、戦略やBIG4系と比べると大規模なプロフェッショナルが在籍し、自動車・製造・メディア・消費財・化学・ヘルスケア・小売りなどの業界軸と、経営管理・営業・マーケティング・SCMなどのバリューチェーン軸で専門家が在籍しています。
有名企業としては、アクセンチュア、アビームコンサルティング、IBMがあります。前述したBIG4系コンサルティングファームも総合系コンサルティングファームと呼ばれることもあります。
代表的なコンサル会社
組織・人事系コンサルティングファームとは、企業の組織や人事に関連する経営課題を専門とするコンサル会社です。
特徴としては、組織構造改革・人事戦略・人材育成・人事評価制度・タレントマネジメントなど人や組織を主戦場としています。
代表的なコンサル会社
シンクタンク系コンサルティングファームとは、グループ会社に金融機関や大手事業会社と関係を持つコンサル会社です。
特徴としては、戦略・BIG4・総合系コンサルティングファームが外資系が多いのに対し、シンクタンク系は日系(内資)である場合が多いことがあります。
代表的なコンサル会社
FASとはフィナンシャル・アドバイザリー・サービスの略称であり、財務に関するコンサルティングサービスを提供する会社です。
M&A業務を中心とし、M&A戦略・DD(デューデリジェンス)・M&A交渉・資金調達・バリュエーション・PMIなどを仕事内容としています。
総合系コンサルティングファームと似ていると思われがちですが、FASは財務に専門性を持つ集団であり公認会計士や税理士などの資格保有者も多く在籍しています。
代表的なコンサル会社
業界別のコンサルティングファーム一覧
コンサルタントの主な仕事の流れを紹介します。
と疑問を持つ人も多いので、ここでは一般的な業務の流れを概要ベースで解説します。
コンサルタントの仕事をするうえで、まずはクライアントが抱える課題を発見しなければいけません。
クライアントが直接的に相談をする「顕在課題」や、相談の文脈を読取り周辺の問題点などを推測する「潜在課題」を、クライアントのとの日々のコミュニケーションから発見します。
コンサルティング業務が発足する一番初期の仕事であり豊富な知見・経験に加え、クライアントとの信頼関係力が必要となるため、コンサルティングファームでも「パートナー(執行役員)」やシニアマネージャークラスの人が主に行う仕事です。
経営課題の発掘をトリガーにし、コンサルティングファームは独自のナレッジやグローバルでの課題解決の手法を用い、クライアントに「このような課題解決を●●カ月でしませんか?」と提案を行います。
いわゆる案件を受注する前の提案活動に該当します。
本業務に関しても、難易度が極めて高いため、経営課題の発掘と同様にパートナーやシニアマネージャークラスが主に担当します。
提案活動を通じ案件を受注すると、受注したプロジェクトの期間内にアサインするリソース(コンサルタント)を確保します。
プロジェクト開始日より人員リソースを投入しチームとしてプロジェクトデリバリーが開始されます。
プロジェクトが始まると、プロジェクトのゴールを目指し各種作業に移行します。
コンサルタントの仕事は“プロジェクトベース”で与えられる業務が異なるため、多くの場合はプロジェクトの初期にプロジェクトゴール・計画・成果物・推進体制を定義し、限られた時間でゴール達成に向けて稼働をします。
コンサルタントの納品物は、主にプロジェクトをデリバリーした業務貢献による成果を意味します。
そのため、目に見えた成果物としてはパワーポイントやExcelなどの資料となっています。
ゆえに、コンサル業界=紙作り職員・パワポ職人などと表現されることも多く、ドキュメンテーションスキルを求められるのもこれが理由です。
コンサルティングフィーは1か月数百万・数千万円を超えるのが通常であるため、単純計算で1枚あたりのドキュメントの価値が非常に高いとされています。
コンサルタントになるために必要とされるスキル・資格は下記になります。
論理的思考力(ロジカルシンキング)とは、複雑かつ膨大な情報を整理し網羅的かつ構造的に論点を設計していく思考力です。
コンサル業界ではよく「MECE(ミーシー)」という言葉が使われますが、Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの略称で“漏れなくダブりなく”を意味し、物事を整理する際に使われます。
本質的な課題解決をするためには、生じている問題の原因や因果関係を紐解き、どの課題を解決することが最も効果的かつ効率的か見定める必要があります。
また、専門性の高い分野ほど情報の解読は難しくそれらを第三者にわかりやすく伝える際にも、結論とそれを根拠づける説得材料を構造的に説明する必要があります。
論理的思考力とは定量的に測れないスキルではありますが、コンサル業界で活躍するためには最も重要な能力と言っても過言ではありません。
仮説立案力とは、限られた情報や事実から将来起こりえる見通しを推測する構想力です。
コンサルタントで求められる課題解決には“制限時間”があり、時間を気にせずゆっくりと課題の分析や提案内容を考えることはできません。
そのため、導き出したい結論に対し“このような問題が原因なのではないか?”、“将来おそらくこうなるのではないか?”と、情報や事実の根拠をもとに仮の答えを置く事で短時間で優れた回答を導き出します。
仮説立案力は地頭の考え方はもちろん、専門分野における長年の経験から得たナレッジからも推測されるため、優秀なコンサルタントほど少ない情報で現実に近しい仮説を導出することができます。
論理的思考力・仮説立案力を支えるスキルとして、調査能力/分析能力があります。
優れた課題解決の提案をするためには、裏付けとなる根拠や事実が必要です。
コンサル業界ではよく「ファクト(事実)をもとに説明する」という言葉が出てくるくらい、事実となる情報を重視します。理由としては固定概念を持たず、事実から仮説を立てることが本質的な課題につながるからです。
そのため、海外調査・レポートや書籍の読み込み・有識者へのインタビュー・膨大なデータの解析など優れた調査・分析能力を持つ人ほど網羅的で正確性のある事実を把握し優れた提案をすることができるのです。
コンサルタントの仕事は原則“チームワーク”出することが多いため、プロジェクトメンバーとのコミュニケーション能力が必要不可欠です。
更には課題発見の際のヒアリング力や、プロジェクトオーナーへのプレゼンテーションなど、様々な場面でコミュニケーションをする場面があります。
コンサルタントの仕事は課題解決であるため目に見えた成果を測ることが難しい職業でもあります。
一方で、プロジェクトデリバリーにおいてクライアントの課題や方針を決定するドキュメントとして、PowerPointやExcelを多用することが多く、納品の際に最後に形として残るのはこれらドキュメントになります。
そのため、コンサル業界は特に高度なドキュメント能力が求められ、1日で数十枚、ひと月に数百枚など資料を作成することも多々あります。
結論、未経験からコンサルタントに転職することは可能です。
一方で、転職市場の中でもコンサルタントの業種は極めて難易度が高く、転職プロセスも独特な文化を持っています。
事実、未経験からコンサルタント転職をすることは非常に難しいため、転職対策をしっかりとすることが大切です。
また、未経験の中でも40代、50代となってくると転職の難易度は更に増すでしょう。
理由としては、コンサルタントの仕事はハードワークとも評されるように、一定の馬力を持ち基礎スキルを身に着けるタフな仕事を求められるからです。
そのため、事業会社のワークライフに慣れすぎてしまいコンサルタント業界に転身すると、過激な労働やスピード感のある仕事から挫折してしまう人も多くいます。
未経験からコンサルタント業界に転職のしやすさで言うと、第二新卒である20代や30代前半が相場と言えます。
転職難易度が難しい理由として、コンサル業界特有のケース面接が挙げられます。
ケース面接とは、「日本に鉛筆は何本ある?」というフェルミ推定や、「●●会社の利益を来年2倍にするための施策は?」という問題解決型面接など、問題解決能力や地頭を測るテストのことです。
\コンサルのケース面接/
フェルミ推定ケース面接
フェルミ推定とは、与えられたテーマに対して、論理的思考力を駆使して概算し結論となる数値およびその根拠を説明するケース面接です。
問題解決型ケース面接
問題解決型面接とは、企業の経営状況が記載されるドキュメントが提供され面接時間内に読み解き、課題解決策を提案する面接です。分析能力に加え、瞬発力のある地頭などが求められます。
コンサルタントの新しい働き方として最近注目されているのが「フリーランスコンサルタント」です。
フリーランスコンサルタントとは、“フリーコンサル”、“独立コンサル”、“個人コンサル”などとも呼ばれ、企業組織に属さず独立した個人として企業にコンサルティングサービスを提供するフリーランスの職業です。
専業として働くフリーランスコンサルタントだけでなく、事業会社に勤めながら副業という形で副業コンサルをする方も多くいます。
最近は、人材の多様化や働き方変革(リモートワーク・副業推進)などが活性化されたことから、注目されている働き方になります。
フリーランスコンサルタントは、組織の専門領域に縛られず自分の専門性やスキルを自由に発揮することができ、正社員よりも年収が上がることが多いため、20代後半~40代と幅広い層がキャリアパスとして歩む人が多くいます。
一方でフリーランスへの独立をし仕事を獲得することは決して簡単ではないため、フリーランスコンサルタント向け案件紹介マッチングエージェントであるコンサルフリー(Consulfree)のような特化型のサービスを利用することおすすめします。
フリーランスギルド型トップコンサル集団
コンサルフリーは株式会社SowLabが運営する即戦力のフリーランスが集まるコンサルタント専門のプラットフォームです。TMT業界(電機/電子・インターネット・AI・通信・広告メディア・エンタメ・放送業界)を中心に、新規事業開発・組織人事・マーケティング・生成AI・SAP/ERP領域に強みを持つプロが多数在籍しています。
相馬秀幸(そうま ひでゆき)
株式会社SowLab 代表取締役社長
デロイトトーマツコンサルティング合同会社のマネージャーを経てフリーコンサルに独立後、コンサル×マーケティング×デジタルメディア開発スキルを活かし株式会社SowLabを創業。フリーランス検索プラットフォーム「コンサルフリー」を運営。これまでに、経営戦略、新規事業開発、M&A、マーケティング/営業戦略、次世代広告メディア戦略、WEB設計/開発、SEO戦略、生成AI推進など多数のコンサルタントプロジェクトを手掛ける。年間200名以上の企業の事業開発/DX/マーケティング責任者やフリーランスと公私ともに対話する。独自で立ち上げたメディアは過去に5つあり、企画・設計/開発・ライティング・SEO対策・広告宣伝営業・メディア監修などメディアにも精通する。