コンサルタントの資格おすすめ一覧！体験者が厳選した15選を徹底解説

コンサルタントにおすすめな資格には、MBA・公認会計士・税理士などの修士や国家資格など、ITストラテジスト・SAP認定資格などのIT系の資格、TOEFL・TOEICなどの語学系の資格など多岐に渡ります。

IDCの「国内ビジネスコンサルティング市場予測（2023年～2027年）」によるとコンサルティング需要は今後も継続していくと予測され、経済産業省が取り組むDX推進施策などの後押しもありコンサル業界は市場全体が成長する注目業界です。

一方で、東洋経済が行った入社が難しい有名企業ランキングでも大手・外資コンサル会社は上位を占めるほど難関企業であり「おすすめな資格を知りたい」「どんな資格が就職・転職に有利になるのか」「資格なしでも転職できるのか」と悩む方も多いのではないでしょうか。

本記事では、そのようなお悩みを持つ方向けに、コンサルの実務経験を持つ体験者や専門家が「コンサルタントにおすすめな資格」を初心者向けにわかりやすく解説していきます。

コンサルタント向けおすすめ資格一覧表

早速ですがコンサルタントにおすすめな資格の一覧表を「資格名称」「運営会社/組織」「取得方法」「有効性」「想定勉強時間」「試験回数」「コンサルタントでの活用メリット」の観点で見てみましょう。

コンサルタントにおすすめな資格6選

コンサルタントのキャリアを目指すうえで、専門性を証明し顧客からの信頼を獲得するために資格は非常に重要です。

ここでは代表的な資格を紹介します。

ITコンサルタントにおすすめな資格

ITコンサルタントとして成功するためには、最新の技術トレンドに精通し、プロジェクト管理やシステム開発に関する深い知識が必要です。

1.ITストラテジスト

ITストラテジストは、情報処理推進機構（IPA）が実施する国家資格の一つで、ITを活用した経営戦略の立案能力を認定します。

この資格を取得することで、ビジネスとITの架け橋として、経営層に対する提案やプロジェクトの戦略立案において、高い評価を受けることが可能になります。

資格名称	ITストラテジスト
運営会社、組織	経済産業省、情報処理推進機構（IPA）
取得方法	専門試験の合格
有効性	無期限、更新は不要
勉強時間	200〜300時間推奨
試験回数	年1回
コンサルタントでのメリット	IT戦略立案、システム構築の知識が強化

2.プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャー資格もIPAによって実施される国家資格です。

プロジェクトの計画立案、実行、監視、終結までの一連のプロセスを効果的に管理するスキルを証明可能であり、プロジェクトの成功率を高め、リーダーシップとコミュニケーション能力を持つプロフェッショナルを求める企業にとって有効な資格となります。

資格名称	プロジェクトマネージャー
運営会社、組織	PMI（Project Management Institute）
取得方法	専門試験の合格及び実務経験
有効性	3年ごとにPDUs取得が必要
勉強時間	450時間以上推奨
試験回数	年数回
コンサルタントでのメリット	プロジェクトの計画、実行、管理能力が向上

3.SAP認定資格(FI,CO,SD,MM,PPなど）

SAP認定資格は、SAP社によって提供されるERPシステム「SAP」の専門知識を証明する国際資格です。

SAPのウェブサイト（SAP Training and Certification Shop）で詳細情報が公開されています。

この資格を持つことで、SAPシステムの導入、カスタマイズ、運用に関する高度な知識とスキルを持つことを証明でき、SAP導入企業からの需要が高いです。

資格名称	SAP認定資格 (FI,CO,SD,MM,PPなど)
運営会社、組織	SAP SE
取得方法	専門試験の合格
有効性	製品バージョンアップにより異なる
勉強時間	200〜300時間（基礎）+ 各モジュール特化に追加
試験回数	製品更新に伴い変動
コンサルタントでのメリット	業務プロセス理解、ERPシステム構築・運用の専門知識

4.PMP（Project Management Professional）

PMPは、Project Management Institute（PMI）が提供するプロジェクト管理の国際的な資格です。

広範な業界にわたるプロジェクト管理のベストプラクティスに基づき、プロジェクトの成功を導くための知識とスキルを有することを証明します。

PMP資格保持者は、プロジェクトの成功率を高め、リスクを管理する能力があると認識されます。

資格名称	PMP（Project Management Professional）
運営会社、組織	Project Management Institute (PMI)
取得方法	専門試験の合格及び実務経験
有効性	3年ごとのPDUs取得が必要
勉強時間	450〜600時間
試験回数	年数回
コンサルタントでのメリット	プロジェクト管理の国際的な標準知識、リーダーシップ強化

5.CIA(公認内部監査人)・CISA(公認情報システム監査人)

CIA（Certified Internal Auditor）は、内部監査のプロフェッショナルを認定する資格で、Institute of Internal Auditors（IIA）が管理しています。

CISA（Certified Information Systems Auditor）は、ISACAによって提供される情報システム監査の専門家を認定する資格です。

これらの資格は、ITガバナンスやリスク管理、監査に関する高度な専門知識を持つことを証明し、特に金融機関や大企業における高い需要があります。

資格名称	CIA（公認内部監査人）
運営会社、組織	The Institute of Internal Auditors (IIA)
取得方法	専門試験の合格及び実務経験
有効性	継続教育(CPE)が必要
勉強時間	400〜600時間
試験回数	年中無休（コンピュータベースの試験）
コンサルタントでのメリット	内部監査、リスク管理、ガバナンスの専門知識

資格名称	CISA（公認情報システム監査人）
運営会社、組織	ISACA
取得方法	専門試験の合格及び実務経験
有効性	3年ごとのCPE時間の維持が必要
勉強時間	300〜500時間
試験回数	年1〜2回
コンサルタントでのメリット	情報システムの監査、コントロール、セキュリティの専門知識

6.CISSP®- Certified Information Systems Security Professional

CISSPは、ISC2が提供する情報セキュリティの専門家を認定する国際資格です。

情報セキュリティの設計、実装、管理に関する包括的な知識とスキルを有することを証明し、特にサイバーセキュリティの専門家としてのキャリアを目指す人にとって価値があります。

ITコンサルタントとして活躍するためには、上述した資格を含む、専門的な知識と技術を取得することで、自身の専門性を証明し、業界内での信頼と評価を獲得することができます。

資格名称	CISSP（Certified Information Systems Security Professional）
運営会社、組織	(SC2
取得方法	専門試験の合格及び実務経験
有効性	3年ごとのCPE時間の維持が必要
勉強時間	500時間以上
試験回数	年数回
コンサルタントでのメリット	情報セキュリティの高度な知識と実務能力

グローバルコンサルタントにおすすめな資格

グローバルコンサルタントとして活躍するためには、国際的なビジネスコミュニケーション能力が非常に重要です。

1.TOEFL

TOEFL（Test of English as a Foreign Language）は、英語圏の国での大学進学や職場でのコミュニケーション能力を測るテストです。

Educational Testing Service（ETS）によって提供され、TOEFLスコアは、世界中の多くの企業や教育機関において、英語能力の国際的な基準として認められています。

資格名称	TOEFL
運営会社、組織	Educational Testing Service (ETS)
取得方法	テスト受験
有効性	2年
勉強時間	個人差がある
試験回数	複数回
コンサルタントでのメリット	国際的な英語の読解、聞解、話し言葉、書き言葉の能力

2.TOEIC

TOEIC（Test of English for International Communication）は、国際的なビジネス環境における英語コミュニケーション能力を測るテストです。

ETSによっても管理されており、TOEICスコアは世界中の企業において、社員の英語コミュニケーション能力の証明として広く利用されています。

資格名称	TOEIC
運営会社、組織	Educational Testing Service (ETS)
取得方法	テスト受験
有効性	2年
勉強時間	50〜150時間
試験回数	国により異なるが、月数回
コンサルタントでのメリット	国際ビジネス場面での英語コミュニケーション能力

これらの英語能力試験を通じて得られるスコアは、グローバルコンサルタントとしてのキャリアにおいて重要なアセットとなり、高いスコアを取得することで、英語圏のクライアントと効果的にコミュニケーションを取る能力があることを証明できるだけでなく、多文化環境で働く際の自信にもつながります。

コンサルタントになるために資格は必要か？

コンサルタントになるために資格が必須かどうかは、専門分野や目指すキャリアパスによって異なります。

資格は確かに専門知識や技能の証明として有効であり、特定の業界や分野においてはクライアントからの信頼獲得や業務の幅を広げるために役立つことがあります。

例えば、財務コンサルティングやITコンサルティングのような特定の専門分野では、関連する資格を持つことがクライアントに対して自身の専門性を証明する有力な手段となり得ます。

また、グローバルコンサルタントとして海外のクライアントと働く場合、英語能力の証明としてTOEFLやTOEICのスコアが求められることもあります。

しかし、資格がなくても優れたコンサルタントになることは可能であり、重要なことは、関連する知識やスキルを持ち問題解決能力を発揮できること、そしてクライアントのニーズに応えられる柔軟性と創造性を持っていることにあります。

最終的には、資格がキャリアの目標達成にどれだけ貢献するかを考慮し、自身のキャリアパスに合った資格を選択することが重要です。

そもそもコンサルタントとは

コンサルタントとは、企業の経営課題を解決するために専門性や経験を駆使して解決策を提供する専門家の仕事です。

わかりやすく言えば「課題解決の専門家」

コンサルタントとは、簡単に言えば「課題解決の専門家」と言えます。

総務省と経済産業省が調査する経済センサス活動調査によると国内に存在する企業数は約337万（中小企業庁より）あり、うち上場企業数は約3,940社（東京取引所グループ（JPX）より）存在すると言われています。

業種別に見ても水産・農林業、鉱業、建設業、食料、医薬品、化学、電気機器、情報・通信業など数十種類の業種業態があり、各企業が抱える経営課題も、経営戦略・M&A・組織人事・会計税務・マーケティング・営業・SCM・物流・設計開発・AI/テクノロジーなど多岐に渡ります。

そうした多種多様な企業課題を解決するプロフェッショナル業であるコンサルタントは「業界の専門性」と「領域の専門性」を掛け算する形でクライアントの問題解決を遂行する必要があります。

そのため、下記のように代表的なコンサルティング職種だけでも専門分野別に様々な種類が存在するのです。

経営コンサルタントの仕事内容について、「具体的に何をするのか分からない」と疑問を持つ方も多いかもしれませんが、その根本的な目的や存在意義は、クライアント企業の課題を解決することにあり、課題の変化に応じて、コンサルタントの在り方も柔軟に変化していくのです。

コンサルタントの集団組織が「コンサルティングファーム」

これらのコンサルタントを集団化させた組織・企業は「コンサルティングファーム（コンサル会社）」と呼ばれ、外資・日系、戦略系・総合系・IT系・FAS系・シンクタンク系など強みとする専門分野の範囲が異なります。

つまり、「コンサルタント」と言っても様々な種類や働き方があるためそれぞれの違いや特徴を理解する必要があるのです。コンサル会社の強みや企業文化を知りたい方は下記も併せてご覧ください。

コンサルタントになるには資格取得だけでなくスキル・能力も身につけよう！

コンサルタントになるためには資格取得だけでなくスキルや能力を養うことも大切です。

コンサルタントに必要なスキルを外資・日系コンサルの体験者をもとに１０つにまとめているため是非詳細は別記事をご覧ください。

スキル習得後はハイクラスコンサルタントになるキャリアプランを作ろう！

これからコンサルタントを目指す方、既に現役コンサルタントとして活躍中の方へ。

• ハイクラスなコンサルタントになるための道筋を知りたい！
• スキルや能力を高めて年収アップをしたい！

と思っている方向けにハイクラスコンサルタントになるためキャリアプラン（キャリアパス）をご紹介します。

1.事業会社からコンサル会社に転職・就職する

ハイクラスなコンサルタントになるためには、まずはコンサル業界に転職しましょう。

一方で、現在、事業会社に所属しコンサル未経験からの転職は難易度が高い課題もあるため、コンサル業界に強い転職エージェントを頼りながら入念な書類添削や面接対策していくことがおすすめです。

転職エージェントとは、サービスに登録することで、キャリアアドバイザーと無料で面談を行い自分の希望転職先の条件を伝達することで最適な求人を紹介してくれることに加え、書類添削・面談対策・年収交渉などサポートしてくれるため一人では対策しづらい点を強化することができます。

特に、ケース面接やフェルミ推定などは徹底した準備が必要になるため、まずは当サイトでおすすめしているエージェントに相談してみましょう！

2.コンサル会社から他コンサル会社に職位を上げて転職する

コンサル会社で経験を積んだ後のキャリアプランとしては「コンサル会社から他コンサル会社への転職」があります。

コンサル会社toコンサル会社は再現性が高いため転職の難易度は低く、管理職やマネージャー、パートナーなどへの責任のあるポジションアップやコンサルタントの年収を増やせるおすすめのキャリアパスです。

コンサル会社には下表のように、職位（ランク）により年収や業務内容が異なります。

コンサル業界全体では、コンサル会社から他コンサル会社に転籍することは一般化しているため、良い職位・ポストや待遇がある場合は是非チャレンジしてみることをおすすめします。

3.コンサル会社から事業会社のポストコンサルに転職する

コンサル会社で経験を積んだ後のキャリアプランとしては「コンサル会社から事業会社のポストコンサルへの転職」があります。

ポストコンサルタントとは、コンサルティングファームで実務を経験した後、事業会社の幹部やベンチャー企業のCxO、PEファンドに転籍するハイキャリア転職です。

コンサル会社に勤めていると一定のラインから「コンサルのやりがい」を感じられなくなることもしばしばあります。

その中で、ポストコンサルは「ポスト」という名の通り、“コンサルティング”というポジションで問題解決能力を最大限に生かし、企業の価値最大化に貢献することが求められる仕事になり、コンサルタントの最終形態のキャリアともいえます。

4.コンサル会社からフリーランスへ独立・開業する

三つ目の選択肢は「コンサル会社からフリーランスへの独立・開業」です。

近年では、厚生労働省による「働き方改革関連法」や、経済産業省の「ダイバーシティ経営の推進」を皮切りに、人材の多様化やリモートワークの推進などにより従来の枠組みに捉われないキャリアパスが着目されています。

中でも、ビジネス上で立場が弱いとされていたフリーランス（個人事業主・副業・複業者・ひとり社長）を守る政策である「フリーランス保護新法（通称）」を2023年4月に政府が可決したことから、“組織から個への働き方へのシフト”は注目を浴び、コンサルの独立や、コンサルからの起業を考える人は年々増加傾向にあります。

フリーランスコンサルタントとは、組織に属さない個人のコンサルタントであり高い年収アップも期待でき自由度の高い仕事ができることから人気のキャリアパスになっています。

下図は実際のフリーランスコンサルタントの年収になり正社員と比べても1.2倍～1.5倍の年収アップが期待できることがわかります。

一方でフリーランスコンサルタントは、下図のように正社員と比べると収入が不安定になるリスクなども多くあり独立には少々不安も抱えてしまうでしょう。

そんな悩みを持つ方はフリーランスコンサルタントマッチングエージェントを使うことで、安定的な仕事獲得をすることができます。

当メディアを運営している株式会社SowLabも業界でもトップクラスの案件供給が可能なフリーランスエージェントサービス「コンサルフリー（Consulfree）」を提供しているため是非無料登録してみてください。

まとめ

最後にまとめです。

コンサルタントにおすすめな資格を一覧形式で振り返りましょう！

企業の人材開発・人材採用担当者・プロジェクト責任者や、現役コンサルタント、これからコンサルタントを目指す転職活動中の方は、「コンサルタントにおすすめな資格」を今一度念頭に置きながら、より多くの課題解決をしていきましょう！